マブエの絵本日記

絵本を読んだこと、見たこと、思うことなどを綴ります。

『アンガーマネジメント入門講座』を体験しました。

保護者会でアンガーマネジメント講座

息子が習っている空手の先生から保護者宛てに一斉メールが届いた。
保護者勉強会を開催するという。
今回のテーマは「アンガーマネンジメント」とある。
なんてタイムリーなんだろう!
先日、息子の「むかつく」発言のこととリンクした。

mombook-air.hatenablog.jp


息子の暴言の件はもう悩みではないけれど、参加を決めた。

開始10分前、このとき会場にいる保護者は、私ともうひとりの女性だけだった。
先に来ていた保護者の女性が私に「中身はまだ見ちゃいけないそうですよ」と言ってその資料を渡してくれた。
渡された資料の表紙には、日本アンガーマネンジメント協会「アンガーマネジメント入門講座」とあった。

え?本格的!
ワクワクした。

先生は、その資料を教壇でじっくりと見つめてはめくっていた。
目が合うと、「すみませんっ、今復習していますので!」と言った。
先生は、日本アンガーマネジメント協会のアンガーマネジメントファシリテーターの資格を持っていて、その技術を日常や道場での指導で活かしているという。
今回の勉強会は、その技術を保護者にシェアするために企画したのだと説明してくれた。

開始時間が近づくと男女合わせて10人程度の保護者が集まっていた。
会場のテーブルは4人で1グループとなるようにセッティングされていて、私が座った席は、女性3名と男性1名。
となりに座った女性は生後半年ほどの赤ちゃんを抱っこしていた。
講座が始まるまでの間、赤ちゃんの表情を堪能した。
眠たげな表情とあやされてニヤつく表情が交互になって、なんとも可愛らしかった。
自然と笑みがこぼれる。
この顔見てたら、アンガーマネジメントなんていらないんじゃ?って思ったけど、 そんなわけないよね。て、ほぼ同時に思ったりした。

そして時間になり、いよいよ勉強会が始まった。

アンガーマネジメントの「マネジメント」とは?

まずはじめに、「アンガーマネジメントとは」という言葉の説明から始まった。
「アンガー(怒り)」をマネジメントするとはどうゆう意味か?
マネジメントだから、管理とか制御することを想像していたが、ちがった!
アンガーマネジメントのマネジメントは「後悔しない」と訳すのだそうだ。

怒らないことではない。

アンガーマネジメントができるようになること

『後悔しない』
怒る必要のあることは上手に怒れ、
怒る必要のないことは怒らないようになること

『上手に表現できる』
他人を傷つけず、自分を傷つけず、モノを壊さず
上手に怒っていることが表現できる

 

日本アンガーマネジメント協会「アンガーマネジメント入門講座」資料より引用)

この1ページを見ただけで、来て良かった!と思った。
私は子供を育てるようになってからずっと、この怒りの後悔に悩んできたんだ。
子どもの頃や独身の頃、イラっとして怒ることはあまりなかったと思う。
いや、「イラっとしても怒れなかった」「イラっとしても怒らなかった」という方が正しいのかもしれない。

「怒ること」は心がせまく、器の小さい人間の感情だと思っていた節もある。
それが親になって怒る機会が増えた。
怒りの沸点が低くなったというか、小さな怒りの連発。
特にまだ息子が小さいうちは、幼児を相手に怒ってしまう自分は器が小さいんじゃないかって凹んだ。
怒ることに慣れていないから、怒ること自体がストレスだった。
子どもに怒るのは自己嫌悪とのセットだった。

「怒り」は生まれつき備わっている感情であり「エネルギー」になる

「怒り」は生まれつき備わっている感情ですと、先生が言った。
「喜怒哀楽」は人間にとって自然な感情であり、怒りのない人はいないし、なくすことも不可能であると。  
当たり前のことを言われているようだが、私には目からウロコ。
人生から「怒」を排除できたら理想だと思っていたから。  

先生は続けてこう言った。

怒りは、身を守るための防衛機能なのだと。
人は怒ると、アドレナリンが分泌されて心拍数が上がり、筋肉が収縮する。
戦闘態勢に入るのだと。
空手の試合では、この怒りが重要だと子どもたちにも指導するのだという。
勝つためには、闘争心が大切で闘争心が無ければどんなに技術が高くても勝てないと。
試合に負けた子にはこんな質問をするそうだ。
今までに経験している「人生最大の怒り」を、もし試合の時にも感じていたらその試合は勝てたと思うか?
子どもたちは、勝てたと思うと答えるそうだ。

なるほど。
私の中で、ぐんぐん「怒り」の株が上がっていく。
今まで嫌悪してごめんね、アンガー。  

「アンガーマネジメント」怒り方は人それぞれ

講座では、自分の怒り方のタイプを「強度」「持続性」「頻度」と「攻撃の相手(自分か他人か物か)」という軸でチャートにするワークもあった。 これは怒りのタイプが視覚化されて面白かった。

自分以外の誰か(家族や上司など)の怒りタイプを想像して自分のチャートに重ねて描いてみると、その人とのコミュニケーションのヒントがあったりする。

怒りの状態を言葉で書き出してグループでシェアするワークもあった。
自分が怒るとどうなるかを書き出して見せ合う。
声が大きくなる。頭に血がのぼる。などの言葉がシェアされる中、私は「悲しくなる」「黙る」「引く」「震える」「閉ざす」という状態をシェア。
我ながら陰湿な怒り方だなーと思った。

「アンガーマネジメント」で私たちを怒らせている正体を知る

「アンガーマネジメント講座」って、怒りっぽい人、すぐカッとなってしまう人向けという印象が強かったけれど講座を受けてその印象が変わった。

本当は怒りたい人、怒りをぶつけられて傷ついた人、イライラさせてしまう人、怒りっぽい人が身近にいる人、そんな人も受けてみると良いと思う。

相手の怒りのタイプを冷静に分析できれば、その怒りをぶつけられたとしても今までのような傷つき方をしなくなると思う。
いや、傷つく必要などないとわかるようになる。 

相手が怒るべきことで怒っているのか、上手に怒れていないだけなのかがわかるから。

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もし相手が上手に怒れない人で、怒るべきことではないことで怒っていたとしたら、相手の怒りの奥にある感情を想像できるようになるかもしれない。 

その怒りには共感できなくても、その奥の感情に寄り添うヒントが見つかるかもしれない。

講座を受ければ「もうイライラしない」わけでなはい。

『上手に怒れ』この言葉から受け取るメッセージは人それぞれだと思うけど、私はこの言葉から『自分が蓋をしてきた感情を知りなさい』というメッセージを受け取った。

先生が時折、空手道の話をしてくれた。

空手の稽古に「組手」というのがある。
ひとりで行う「型」に対して「組手」は相手がいる。
「組手」は相手と「調和して動く」ことなのだそうだ。

相変わらず、私は怒る。

悲しくて怒る。
悔しくて怒る。
疲れて怒る。
困って怒る。
羨ましくて怒る。

これからはその感情に蓋をしようとしないで、調和していきたいと思う。