私が絵本読み聞かせボランティアを始めた理由
きっかけは『絵本インプロ』
2016年の夏、 私は絵本読み聞かせ講師「とんちゃん(上甲知子さん)」の読み聞かせを初体験した。
息子と遊びにいった『絵本インプロ』でのことだった。
インプロというのは Improvisation(インプロヴィゼーション)の略で、 日本語では「即興」という意味。
私が参加した『絵本インプロ』は、「絵本読み聞かせ」と「インプロ」のコラボ企画だった。
以前、私が初めて体験したインプロがとても楽しかったので、いつか息子にも体験させてあげたいと思っていた。
『うまいこと言ってやろう』といつも構えがちな私にとって、即興で表現することはとても苦手だと思っていたけれど、『あれこれと頭を巡らせず、相手の表現を素直に受け止めながら自分のアイデアもすぐ返す』というコミュニケーションがとても楽しかった。
大人がイエス・アンドの精神で楽しむ「インプロ」を体験すると、子どもとの会話がぐっと弾むようになるのでオススメ。
前置きが長くなってしまったけれど、私が絵本読み聞かせボランティアをやろうと決心したのは、この『絵本インプロ』がきっかけなのです。
『ちへいせんのみえるところ』とインプロ
即興パフォーマンスをしながら体を動かし、 合間合間に読み聞かせタイムが入る。
そのときの読み聞かせで聞いたとんちゃんの声、絵本をめくる手つき、読み終えたあとの呼吸、いろんなことにくぎ付けになったのを覚えている。
とんちゃんが読んだ絵本のうちの一冊が『ちへいせんのみえるところ』長新太(作)だった。
なんと、この絵本にでてくる言葉は「でました」のみ。
とんちゃんは「でました」としか言わない。
地平線からひたすら何かが出てくるストーリー。
きっと、とんちゃんに読んでもらっていなかったら、『ちへいせんのみえるところ』をストーリーだなんて思わなかったかもしれない。
その前に、この絵本を息子に読んであげようとは思わなかっただろう。
だって、「でました」しか書いてない絵本をわざわざ読んであげることもなかろう。
だけど、『ちへいせんのみえるところ』読んでもらってみたら、めちゃくちゃ良かった。
家で息子と開く絵本とは違う魅力がそこにあった。
とんちゃんの選書から伝わる何か。
この日を境に、開いた絵本の正面にいる自分からは見えない「何か」を知った。
絵本の後ろにいるとんちゃん側からしか見えていない景色が気になった。
そして、とんちゃんのメルマガやブログを読んでみた。
そしてとんちゃんの選書から伝わる何かが私を動かした。
読み聞かせボランティアとは何か
息子の小学校では週1回、保護者が読み聞かせをする時間がある。
息子が1年生になった春、読み聞かせボランティアに誘われたがその時は断った。
読み聞かせの時間は平日の朝なので、仕事に遅れてしまう。
絵本なら家で息子に読んでいるし、第一みんなの前で読むのは緊張するだろう。
小学校で絵本を読みたい理由がなかった。
だから断った。
だけど、とんちゃんを知ってしまったら、 絵本読み聞かせボランティアをやらないことがもったいないと思った。
私は「とんちゃんの読み聞かせ」を知っているという使命感みたいなものまで湧いていた。
とんちゃんみたいに絵本を読んでみたいとも思った。
息子も、朝の読み聞かせに私が来ることを望んでいた。
もう、私に読み聞かせボランティアを断る理由はなかった。
気がかりなのは、勤務開始時間に30分遅れることくらいだ。
ボランティアの順番がまわってくるのは月に1回~2回程度。
毎月に1時間分の減給となるけれど、それ以上の価値があると思った。
そして2学期から小学校の読み聞かせボランティアを始めることにした。
初めての読み聞かせボランティア、 デビュー1冊目に読んだ絵本は、とんちゃんのアドバイスで『やさいのおなか』にした。
そのときの様子も記事にしたいと思っている。
追記:とんちゃんについて
私はとんちゃんに出会い、ブログを読み、読み聞かせボランティアを始めたけれど、絵本読み聞かせ講師とんちゃんのブログは、読み聞かせボランティアすることを推奨していたわけではない。
とんちゃんが大切にしているのは、家で我が子を膝にのせて読むような、絵本で子育てする読み聞かせの楽しさだったり、絵本の持つ力みたいなことを伝えてくれています。
私が最初にとんちゃんを知ったのは手作りの冊子でした。
とんちゃんと一緒に活動している絵本作家の山田花菜ちゃん(高校からの心の友!)から、もらった小さな冊子。
今は冊子もバージョンアップして発送してもらえます。