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マブエの絵本日記

絵本を読んだこと、見たこと、思うことなどを綴ります。

それは、私が言いたかった言葉かもしれない。

ニンテンドーDSでの暴言

 

息子がニンテンドーDSをやりはじめて、気になることがあった。

 

電車の中での出来事。
マリオカートや、サッカーなどのプレイで負けるとコンピューター相手に「むかつく」「ぶっころしてやりたい」と息子が言っている。
学校や学童での試合に負けた時、相手にそんな言葉を言ったりすることはなかった。


ハンドルを握ると人格が変わっちゃうタイプなのか?
我が子ながら、ちょっと怖いと思った。

 

息子に「今、何て言ったの?なんだか穏やかじゃないね」と声をかけてみた。
息子は「だって悔しいんだもん」と言う。


注意しても、息子の発言は変わらず。
息子のその穏やかでない発言を聞いていると腹が立った。


何度注意しても、様子が変わらない息子にとてもイライラとした気持ちが湧いてきて、「そんな言葉づかいは良くない!」と強く否定した。
「そんなことならゲームはしばらくやめなさい!」と。 

 

むかつくのも、悔しくなるのも仕方ないけど、悔しい気持ちを表現する言葉は他にもあるはずだから、他の言葉を使ってごらんとも言った。
「誰かが言っていたの?」とも聞いてみた。
友だちや上級生が使っていた言葉づかいに憧れているのかもしれないとも思った。
でも、誰かの言葉を真似たのではなく自分の言葉だと言う。

 

ちょっとショックだった。
7歳といえど、まだまだ小さく可愛いビジュアルのままの息子が、自分の言葉で「ぶっころしてやりたい」だなんて。

 

言葉にフタをしないということ

 

私に言葉を注意されて、ゲーム禁止もほのめかされ、しょんぼりとうつむく息子。
電車はもうすぐ降りる駅に到着しようとしている。
お互い納得した状態で帰宅するには、どう声をかければ良いのだろう。
この穏やかじゃない言葉をこのまま放置していいものかという焦りと不安の中、息子にかける言葉が出てこない。
電車に揺られながら、息子の横で私の脳内会議が始まった。

 

 

息子を育ててきたどこかで、何かが影響してるのか?

 

いや、息子はやさしい子だ。そうやって、すぐに育て方とかを疑うのやめようよ。

 

でも、この暴言はやめさせるべきだよね?

 

どうして?

 

どうしてって?!聞いてて気持ちよくない。この言葉に腹立つのは私だけなの?

 

邪気なく言ってるって聞き流せるって人もいるかもね。

 

はっとした。脳内の自分に「聞き流せる人もいる」と言われて。
私がイライラしてしまった本当の理由は、言葉に対する嫌悪ではないと気づいた。
この脳内会議を経て、私は息子にこう声をかけた。


「いいよ、さっきの言葉、言ってもいいよ。」


「え?どうして?」息子が驚いた顔をあげてこっちを見ている。

 

「もしかしたら、ママが本当は言ってみたい言葉かもしれないから。」

 

私は、そう答えていた。
そう言い終えた瞬間、息子は腕にしがみついて顔をうずめてきた。
息子の安堵をしがみつく手から感じた。
私もほっとした。


思ったことを躊躇なく言える息子が羨ましかったんだ。
大丈夫、息子を信じよう。

 

このやり取りがあった翌晩も、息子は相変わらずコンピューター相手に負けて悔し悶えていた。
涙まで流して、どうにもならない怒りが言葉になってこぼれる。
私はお皿を片付けながら、息子と目があった。
暴言は責めなかった。

 

息子はDSを閉じて、私にぬいぐるみ遊びを要求してきた。
息子なりに、怒りをコントロールしようとしているようだ。

 

息子がキレる姿は、見たくない。
だからといってそれをゲームのせいにして禁止しなくてよかった。
息子のゲーム中の暴言は、もう少し見守ってみようと思う。
怒りの言葉のレパートリーがちょっと愛しくさえ思うから。

 

追記メモ:

この夜、息子が寝かしつけに選んできた絵本

『青い鳥』モーリス メーテルリンク (著)

『このあとどうしちゃおう』ヨシタケシンスケ(著)