『ぼく、にげちゃうよ』が好きになった
母が子供の自立心を潰す怖い絵本だと思ったけど
この絵本、読み方次第ではかなり恐怖なんですが、私は好きです。
昨日、はっきり好きだと言えるようになりました。
昨夜の読みきかせで、小2の息子がリクエストしてきて、久々に読みました。
なぜ、読み方次第で恐怖かというと、このウサギのお母さん、必ず子ウサギの息子を捕まえるのです。
子ウサギがあの手この手で逃げようとしても、ならば私はこうするわよ!っと逃がさない。
お母さんの執念がすごい。
すると、最終的に子ウサギは逃げるのを諦めちゃうんです。
「ふうん。だったら、うちにいて、かあさんのこどもでいるのと おんなじだね」と。
怖くないですか?!
でも、逃げ方と追い方がファンタジー
この絵本、子供の自立をダメにしちゃうやつじゃないのか?!って最初は思いました。
でも、この絵本の魅力的なところは、逃げ方と追い方がファンタジーなんです。
この絵本を最初に読んだのは息子が小1のときでした。
怖い絵本だなと思っていましたが、見開き絵で盛り上がると確信していたので、読み聞かせボランティアでクラスの子ども達の前でも読みました。
この絵本のストーリーには展開パターンがあって、最初は親子の言葉のやり取りがあります。
子ウサギ「ぼく、にげちゃうよ!〇〇になってなんちゃらかんちゃら~」
母ウサギ「お前が〇〇になるなら、母さんは△△になってなってなんちゃらかんちゃら~」
このとき挿絵はモノクロ画です。
でも次のページを開くと、カラーの見開き絵になります。
そして、〇〇になった子ウサギと△△になった母ウサギの様子が描かれている。
見開きに文字は一切なくて、絵だけが物語ります。
宣言どおりに、子ウサギが〇〇になっていて、母ウサギが△△になっている。
たぶん、親子の会話でちょっと想像したイメージの斜め上をいく絵なんです。
斜め上というか、想像しきれなかった部分がちゃんと絵になっている。
この見開き絵のタイミングはしばらく眺めて楽しめます。
子ども達の反応はというと、、指さして盛り上がる。
これぐらいの年頃の子どもにしてみたら、大好きなママが追いかけてくれるって感じなんでしょうか。
母ちゃんスゲーっ
昨日も、久しぶりに読んでみて息子は笑ってました。
今まであまり気にしていなかったある箇所に気づいて。
子ウサギが魚になって逃げるシーンで、母ウサギは漁師になっているところなんですが、その母の前の大木がバキッと折れている。
なんで折れているのか?!
母がバキッと蹴りでもいれたのか拳で殴ったのか?!
母ちゃんすごっ、こわっ。笑
そんなこと想像して、笑いました。
読み方次第では恐怖です。
けど、だんだん執念の母がコミカルに見えてきて、途中から母ウサギと子ウサギのお約束漫才のように読みました。
子ウサギ「ぼくにげちゃうよん♪」
母ウサギ「じゃあこうするよん♪」
みたいな、ノリノリな感じで読んでみました。
どちらも内心、「逃げなくてもいいや」「逃げてもいいや(いいのよ)」みたいな感じです。
「だったら、うちにいて、かあさんのこどもでいるのと おんなじだね」ってセリフが、
「なんだ、逃げても逃げなくても自由だね」って思えたから不思議。
この絵本、好きになりました。
▼絵本
ぼくにげちゃうよ (海外秀作絵本) | マーガレット・ワイズ・ブラウン, クレメント・ハード, 岩田 みみ |本 | 通販 | Amazon